■ 第10回 2008年3月15日掲載
南国フルーツパーティーに舌鼓

貨物の取り扱いが世界最大級という豊かな港を持つシンガポールを後にトパーズ号は出航。次のコーチン(インド)まで4日間のクルージング。これがくせものだった。インド洋に入ると、船は大揺れに揺れ、主人はどうやらデッサンをしていて酔ったようだ。私は廊下をジグザグに拍子をとりんがら歩いていたお陰で何とか大丈夫のようだ。エレベーターも揺れが大きいとストップ。階段の手すりには気分が悪くなった人の為に紙の袋が置かれていた。みんな揺れには閉口しているようで、あまり言葉も交わさない。乗船客の半数ぐらいがこの揺れには悩まされた。

揺れている時は何かに熱中すればいいと、インドについての勉強会が目白押し。南インドで子供達の為のスクールを設立されている、ジョンさんと中山みおいさん(日本人)の企画に参加する。貧困・カースト制度に基づく差別から厳しい状況に追いやられている子供達の現状を見聞きしショックを隠せなかった。まだ15歳ぐらいの子供達が現実と向かい合っている。男の子は労働に、女の子は低い年齢で結婚と、日本では想像もつかない現実に何とも言えない気持ちが心に残った。でもそんな中でも明るく、しっかりと現実を受け止めている子供達に笑顔と大きな澄みきった瞳が救いだった。

船内での一大イベント「フルーツパーティー」があり、主人と参加する。南国のトロピカルな服装で≠フ呼び掛けに、たった一枚持ってきたロングのスカートで参加。会場は果物(特にスイカ)で作った花の彫刻がたくさん飾られていて南国ムードたっぷり。シェフがカット彫刻したフルーツを手に持って、まるでダンスをしているように体を揺すりながら飾っていく。サービスたっぷりのデモンストレーションを楽しむ。カロリー的に安心なのか主人も盛りだくさんのフルーツをお皿に載せて満足気だった。私も負けずに南国の完熟フルーツに大満足。何といっても一番満足だったのはマンゴー、そしてドリアンのおいしかったこと。以前タイ旅行で初めて口にした時のあの濃厚で酸味のきいた爽やかな味を思い出した。大きいジャックフルーツはコックさんが見事な包丁さばきで切り分けてお皿に載せてくれた。日本では味わえない本場の味。あっという間にテーブルのフルーツがなくなるほど。暑い暑い甲板で仲間とお喋りをし、南国の珍しいフルーツに舌鼓を打ちながら大きな口を開けてほおばっている幸せな顔、顔、顔…。日常生活を外してこの船に参加している我々。

普段は見過ごしているテーマ「沖縄慰霊の日6月23日」。沖縄戦の犠牲者を想い一分間の黙祷に参加する。改めて今の平和を実感。恵まれている事への感謝に思いを馳せた。寄港地ツアーを主に楽しみにしていた自分が、少しずつそれ以外の楽しみを満喫し始めている。(恭子)