6月15日、ダナン出航後19日まで航海中なので、とりあえず本日は後回しになっていた我々の船、トパーズ号について述べることにしよう。この船は最初、「エンプレス・オブ・ブリテイン号」といって1956年が処女航海で51歳のおばあちゃん船である。当時は英国の豪華客船でエリザベス女王も乗船されたと

いうとても由緒ある船だったのだが、まわりまわって現在はアメリカのギリシャ系船会社「キーマ社」によって運航されている。
したがって高級船員、すなわち士官たちは全てギリシャ人で、あとの船員はエジプト、フィリピン、ウクライナ、中国、インドネシアなど国籍はさまざまだ。現在マニラに客船のスタッフを養成する学校があると聞く。興味がある若者は是非チャレンジしてみたら。世界の海に羽ばたくのも良いかも。
船の総トン数は31500トン、全長195メートル、幅27メートル、最高航海速度27ノット。しかしこれはあくまで最高速度で、聞くところによると時速20キロだったとか。専門家に言わせると14〜15ノットで航海していたことになる。ということは自転車の速度とほぼ同じである。太平洋、大西洋上をのんびりと自転車を漕いでいるところを想像していただけると良い。何とも良い気分ではないか。何でも飛行機の1日が船の10日とのこと。そういう旅もまた良いものだ。
ところで私自身、船旅をするからには是非実現させたいことが一つあった。それはトパーズ号のブループリント、すなわち設計図を手に入れることだ。船おたく≠ナ模型造りを趣味とし、設計図コレクターの私としては絶対に実現せねばならないと心に決めていた。それにはまずキャプテンと親しくならなくてはと思ったものの、なかなか手ごわそうな風貌をしている。まず口数も少なく、何よりも威厳があり、近寄りがたく、前に出るとすくんでしまいそう、というのが本音だった。しかし航海は始まったばかり。まだ100日近くあると思い、「なんとかなるさ」と、この攻略法に情熱を注ぎ、チャンス到来を待つ事にした。
(眞吾)