いよいよ帰国を間近に控えた頃、街の人達からしきりと、ディナーのお誘いを受けるようになった。
そうしたある日、ある家族とディナーを共にすることになった。「シンゴ今晩、この娘はデートだから挨拶だけ」という訳で、十七歳の彼女は嬉しそうに出かけていった。
ディナーも終わり、お喋りに花を咲かせていた時、その娘は帰宅したが、ろくに顔も見ないで、そそくさと二階へ駆け上がっていった。そのうちに、しゃくり泣く声が二階から聞こえてきたではないか。「どうしたの?」と聞くと、パパいわく「今何時だと思ってる!十一時だというのに、一言の説明もなく上がっていった。それはないだろう」とカンカンだ。何だか自分が怒られているようだ。
アメリカは日本と違ってもっとオープンかと思っていたが、結構厳しい。そういえばいつの間にか隣に居たはずの奥さんがいない。そこで私はここぞとばかりに先輩面して言った。「両方の親が一緒になって叱ってはだめだよ。子供も逃げ場がなくなるからサ・・・」なんて。
しかし、心配無用、潤んだ眼でハグをしていたその親子、ニコニコだ。我が日本には、ハグの習慣は無いが、有ればいいなぁと私は思う。ハギングには人の心を癒す魔法の力がある。
|